Beta-カテニン(CTNNB1)と胚発生に必須であるものの、マウスのCTNNB1欠損胚はE7.0の原腸陥入期に異常を示して胚性致死となる。CTNNB1の重要度から着床前には代償機構が存在する可能性がある。本研究では、(1)Ctnnb1欠損胚(欠損精子と欠損卵由来の胚)は、leukemia inhibitory factorの分泌によって開始される母体側の着床応答を誘起できない、(2)Ctnnb1欠損胚盤胞において、caudal-type homeobox 2遺伝子の栄養外胚葉細胞での発現が消失する、(3)野生型マウスの卵管内液の注入によって上記の異常は回復する、の3点を明らかにした。
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