研究課題/領域番号 |
18K16829
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
松井 祐興 山形大学, 医学部, 助教 (60594322)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 内耳障害 / リン脂質代謝酵素 / DGK / 外有毛細胞 |
研究実績の概要 |
音響暴露モデルを作成し、内耳障害についてリン脂質代謝酵素であるDGKについての解析を行った。正常のモルモットに、音響暴露を行った。2週間が経過しても、聴力閾値は70dB程度の高度永続的難聴であると考えられた。音響暴露おけるコルチ器の障害程度を組織学的に評価した。音響暴露後2週間において有毛細胞マーカーであるMyosin7a陽性の内有毛細胞は一列に整列しているのに対し、暴露の負荷が強くなるにしたがって外有毛細胞の数が減少し、脱落が認められた。音響暴露後のDGKζ免疫反応の変化を解析した。音響暴露後24時間から72時間までは、外有毛細胞のDGKζ免疫反応は暴露前と変わらず核内に認められた。しかし音響暴露後1週間では、DGKζ免疫反応が核内から細胞質に移行している外有毛細胞と、反応自体が減弱している外有毛細胞が混在して観察された。さらに音響暴露後2週間では、DGKζ免疫反応の減弱している外有毛細胞が観察された。また、らせん神経節では、Parvalbumin陽性のらせん神経節細胞の核内にDGKζ陽性像が検出されたが、その周囲を支えるグリア細胞にはDGKζ免疫反応は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モルモットによる動物実験のため、条件設定に複数回の実験を要するため時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
野生型マウスおよび様々なアイソザイムのDGK-KOマウスから不死化したMEF細胞株において、DGKの過剰発現とsiRNA によるノックダウン実験を行い、小胞体ストレスを与えた後の小胞体ストレスタンパクの発現量と局在を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初期段階の条件設定が多かった。また、抗体を用いた実験が少なかった。次年度は様々な抗体を購入し、細胞や組織におけるウエスタンブロットや免疫染色を行う予定である。
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