研究課題/領域番号 |
18K16834
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
有泉 陽介 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (30444110)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / 低マグネシウム血症 / シスプラチン / 化学放射線療法 / 飲酒 / 遺伝子多型 |
研究成果の概要 |
シスプラチンを併用した化学放射線療法の用量制限毒性は腎毒性である。飲酒は低マグネシウム血症の原因の一つである。アルコール代謝の活性は遺伝子多型により異なる。大量飲酒患者の中には高度な低マグネシウム血症を示し、化学放射線療法中に腎障害を来たすものがいることは事実である。しかしそのような患者は稀であり、遺伝子多型の影響を定量するには極めて多数の症例数が必要であることがわかった。化学放射線療法では粘膜炎、腎機能障害、誤嚥性肺炎の有害事象により治療を中断することも多い。原発巣と頸部リンパ節の病変が進行している症例は、緊急入院や長期入院の危険因子であった。今後これらの防止策を開発する。
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自由記述の分野 |
頭頸部外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌は局所進行した状態で見つかることが多く、喉頭摘出術などの拡大切除が必要になる。抗がん剤のシスプラチンを放射線に併用した化学放射線治療は、喉頭摘出術を回避するための最も強力な治療法である。シスプラチンは腎障害を生じやすい薬剤である。また、化学放射線療法は治療中に生じる高度な放射線性粘膜炎により食事と飲水が難しくなり腎機能障害をさらに増悪させる。これらにより十分な抗がん剤投与が出来なくなることが多い。シスプラチンによる腎障害は血液中のミネラルの一つであるマグネシウムが少ないと起きやすいと言われている。血治療開始前にマグネシウム値を確認し、必要な対策を行うことは極めて重要である。
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