研究課題/領域番号 |
18K16835
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
正道 隆介 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00815764)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 加齢性難聴 / 内耳 / 蝸牛 / 組織学 |
研究実績の概要 |
加齢性難聴はコミュニケーション障害をきたし高齢者の孤立、抑うつ、認知機能低下にも繋がり、国民的課題であると言えるが、有効な予防法や治療法は確立されていない。加齢性難聴の組織学的所見については過去にも報告があり血管条の萎縮はそのひとつとして挙げられるが、血管条を含む蝸牛外側壁の立体構造についての研究はほとんど行われていない。研究者は連続切片走査型電子顕微鏡法により、これまで観察が困難であった蝸牛外側壁の構成細胞、特に根細胞の立体配列について、蝸牛外側壁のラセン靭帯下部領域において樹木根状の細胞集塊を形成し、II型線維細胞が分布するラセン靭帯下部領域に伸展していることを既に示し報告した(Shodo et al. Biomed Res 2017)。この手法を応用し、蝸牛外側壁構成細胞の加齢性変化を3次元的に解明することを目的とする。研究計画に基づき、平成30年度は正常モデルの観察を行った。2カ月齢ラットを灌流固定し、蝸牛を摘出、パラフィン包埋切片を作成した。光学顕微鏡で蝸牛外側壁を中心に観察しデータ収集した。固定状態が不良であり、適切な固定条件を模索している。このため電子顕微鏡用のエポン試料を作成できておらず、進捗状況としては遅れている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パラフィン包埋試料の固定状態が不良であり、適切な固定条件を模索している。このため電子顕微鏡用のエポン試料を作成できておらず、進捗状況としては遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に行えなかった正常モデルの電子顕微鏡観察を令和1年度に行い、加齢性難聴モデルの観察を令和2年度に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費は概ね予定通りであり、残額は次年度に持ち越して使用予定である。
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