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2018 年度 実施状況報告書

嗅粘膜発現SGLTの機能性と糖尿病性嗅覚障害の病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16839
研究機関三重大学

研究代表者

玉利 健悟  三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (90585176)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード嗅細胞 / ホールセルパッチクランプ
研究実績の概要

申請した研究計画をもとに、ヒト嗅細胞の電気生理学的解析を行うための準備を開始した。ヒト嗅粘膜組織から酵素処理により単離した細胞の形態的特徴を観察し、嗅細胞特異的に発現するOlfactory maker protain(OMP)と抗原抗体反応する抗OMP抗体を用いて蛍光免疫組織実験を行った。染色の結果、イモリ嗅細胞との比較により小ぶりな大きさながら、樹状突起の形状が類似しており、顕微鏡下明視野での嗅細胞の同定は容易であることを確認した。また、副鼻腔炎などの手術の際、組織を一部摘出した患者の追跡調査を行い、同様の手術経験者であるが、未摘出の患者と比較しても、嗅覚に対する治療結果に大きな差はない事も確認し、ヒト嗅粘膜の生検は大きな問題が無いことがわかった。これにより、適切な同意を得られる条件と、十分な実験環境があれば、ヒト嗅粘膜を用いた、組織実験や培養、または電気生理学的実験は可能であることから、本研究は遂行できるものと考えられる。
さらに、摘出した嗅粘膜から単離した嗅細胞と考えられる細胞を用いてホールセルパッチクランプ法による電気生理学的基礎データを取得し、イモリ嗅細胞との比較を行った。イモリ嗅細胞との比較を行ったのは、既に当実験室では累積されたデータもあり、比較検討が容易だったためである。電流―電圧関係(I-V曲線)からみられるように、チャネルの特性はほとんど類似しており、その類似性を解析した研究データは2018年度に論文をAuris Nasus Larynxに投稿した。2019年3月にアクセプトされ、すでにweb上では開示されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまでに準備してきた安定した実験環境の蓄積があるため、2018年度から始めた本研究に対しても進捗がよく、基礎的なデータの解析から、論文投稿まで行うことが出来た。これからは基礎データをもとに、SGLTに関与した実験を行う予定である。

今後の研究の推進方策

ヒト嗅細胞の実験はイモリ嗅細胞と比較すると、データの収集率(成功率)が著しく低く、さらに薬品の投与など細胞に負荷をかける状態を想定すると、次年度以降の実験計画が順調に進むかは不透明である。そこで、SGLTに関与する実験では、イモリ嗅細胞、あるいはマウス嗅細胞を用いた実験を前段階としてさらに進捗させ、安定した後に、ヒト嗅細胞に至る方が良いと考えられる。

次年度使用額が生じた理由

実験装置の一部が故障してしまい、代替品を使用して実験している。代替品も古く、いつ故障してもおかしくない状態であり、故障した場合、新規での実験装置を購入するため、予算をすべて使うことなく、次年度以降に繰り越した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Electrical properties of cells from human olfactory epithelium2019

    • 著者名/発表者名
      Tamari Kengo、Takeuchi Hiroko、Kobayashi Masayoshi、Takeuchi Kazuhiko、Kurahashi Takashi、Yamamoto Tetsuro
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 18 ページ: xxx-xxx

    • DOI

      10.1016/j.anl.2019.01.006

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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