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2020 年度 実施状況報告書

嗅粘膜発現SGLTの機能性と糖尿病性嗅覚障害の病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16839
研究機関三重大学

研究代表者

玉利 健悟  三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (90585176)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード電気生理学 / イモリ / グルコース
研究実績の概要

本研究は、グルコースが嗅細胞のシグナルトランスダクションに直接影響することを明らかにすることである。最終的には患者協力を得て、嗅粘膜からのヒト嗅細胞での実験を行う予定だが、コロナ禍の関係などもあり、これまで実績のある両生類イモリでの単離嗅細胞を用いて膜電流の解析から始めた。
イモリの嗅粘膜を取り出し、酵素処理によって嗅細胞を単離した。また、グルコース曝露前後の嗅細胞の膜電位の変化を調べるためのシステムをセットアップした。イモリの単離細胞からパッチクランプ法を用いて膜電位を測定し、電気生理学的データを取得した。
そして、通常より高濃度のグルコースを溶解したリンゲル液を空気圧で微小ガラス電極から暴露した結果、膜電位の内向きの変化が記録された。
しかし、空気圧による電極のゆれによって生じた変化かどうか不確定であるため、濃度依存性の解析とSGLT1、2阻害薬等による薬理学的解析を試みているが、まだ確証はない。しかし、本研究のモデル動物としてイモリを用いることが可能であることを示唆した。
前述の通り、本年度はコロナ禍の影響もあり、ヒト嗅細胞の新たな知見を得る事が出来なかったが、2019年度にAuris Nasus Larynxに掲載された「Electrical properties of cells from humanolfactory epithelium.」について、日本の耳鼻科向け雑誌である「日本耳鼻咽喉科学会会報124巻1号71‐72」に記事として載せることで、研究の公表に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

ヒト組織を扱った実験であるため、被験者への対面による研究計画の承諾や、手術室への入場などがある。コロナ禍において、これらの様々な問題と共に、扱う試料がコロナウイルスが比較的多い部位であるため、ヒト組織での実験は休止状態となっている。現在はイモリなどのモデル動物による実験の可能性について模索している。

今後の研究の推進方策

本研究における肝の部分である、ヒト組織の入手が困難なため、モデル動物での実験を試みたが、基礎的なデータの取得に留まっている。このモデル動物によるデータの解析を更に進捗させるとともに、ヒトのデータについては、本年度が予算の最終年度であることから、一年の延長により、ポストコロナ時代になった際には、再び実験を行うよう準備したい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍などの原因により、ヒトを扱った実験が出来なかったことと、実験装置の買い替えの必要性がなかったため、本年度に繰り越し、モデル動物のイモリを用いた電気生理学実験や、抗体を用いた免疫組織化学染色実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ヒト嗅粘膜細胞の電気特性2021

    • 著者名/発表者名
      玉利健悟、竹内裕子、小林正佳、竹内万彦、倉橋隆、山本哲朗
    • 雑誌名

      日本耳鼻咽喉科学会会報

      巻: 124 ページ: 71-72

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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