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2021 年度 実施状況報告書

嗅粘膜発現SGLTの機能性と糖尿病性嗅覚障害の病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16839
研究機関三重大学

研究代表者

玉利 健悟  三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (90585176)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード電気生理学 / イモリ / グルコース
研究実績の概要

本研究では、糖尿病によるSGLT(sodium glucose transporter)の発現が嗅細胞にもおよび、その結果嗅覚の異常を生じさせていると仮定し、その環境を再現した動物実験を行っている。実際にはイモリの嗅細胞のシグナルトランスダクションに直接影響することを明らかにすることである。最終的には患者協力を得て、嗅粘膜組織からのヒト嗅細胞での実験を行う予定だが、まず研究法の確立のため、これまで実績のある両生類での単離味細胞を用いて膜電流の解析から始めた。実験動物としては、扱いやすく、すでに実験系が確立されているイモリを用いて実験を行っており、その単離細胞を用いて薬剤暴露前後の嗅細胞の膜電位の変化を調べるためのシステムをセットアップした。そして、イモリの単離細胞からパッチクランプ法を用いて膜電位を測定し、電気生理学的データを取得し、その後、グルコースやそのアゴニスト薬物を暴露して膜電位の変化を記録した。その結果、イモリの単離細胞で膜電気を測定できるが、暴露による変化は非常に小さい、あるいはアーチファクトとの違いがわからない記録しか取得していない。データを記録をするシステムを構築できたが、直接的に反応が認められていないため、実験動物を両生類からマウスへの変更も検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年度から今年度にかけて、所属組織の改組があり、実験室等の移動があったため、実験システムを再構築することにより、研究の遅延が発生した。
また、教育系の論文1報と、同じく教育系の書籍(共著)の執筆もあったため、研究活動にエフォートがさけず、実験回数が極端に減少してしまったことも起因している。
コロナ禍も続き、受け持っている授業のオンライン対応など教育業務が増加していることも起因している。

今後の研究の推進方策

両生類のイモリでは反応が認められないため、イモリの組織を再度確認する必要があると考えている。イモリの嗅粘膜は非常に小さいため、組織切片にする実験は持っておらず、現在文献にて調査中であるが、免疫組織化学染色にてSGLTの同定を行う。また、哺乳動物としてマウスの単離嗅細胞に変更し、再度実験系を構築して臨みたい。

次年度使用額が生じた理由

研究の遅延により、予定されていた実験を行うことができず、十分な成果を得られなかったため、次年度に予算を持ち越すことになった。新たにマウスの購入や、その維持費が必要であり、また、におい識別装置を用いた別のアプローチも現在計画しており、その予算も確保するため次年度使用額が生じた。

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公開日: 2022-12-28  

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