国内学会に参加し、現在の頭頸部癌領域における基礎研究の内容につき情報収集を行った。学会参加を通じて様々な知見を得ることができたが、同様の研究内容は国内で実施されておらず、本研究の先進性と独自性が改めて確認された。COVID-19の感染拡大のため多くはWEBでの参加となった。国際学会についても参加し、情報収集を予定していたが、COVID-19の感染拡大のため現地に赴くことができず参加はできなかった。 口腔扁平上皮癌細胞株(SCCKN)を用いて、過去のプロトコールを参考に、NOD/SCIDマウスに移植してのXenograftの作成を行った。研究開始当初は、細胞培養~移植も順調に進み、Xenograftの作成は問題なく実施できていた。しかしながら研究の途中から、プロトコール通りに行っても細胞培養~移植~Xenograftの作成を行うことが困難となった。細胞株、培養液を刷新することでその後Xenograft作成も再度可能となり、腫瘍増殖曲線の作成に必要な、コントロール群、DMOG群のマウス作成を行い、腫瘍増殖曲線を作成した。ここまでにかなり多くの時間を要した。また、腫瘍が実験系に必要な大きさになるまでには、2月(8週間)程度の時間を要するため、全体のスケジュールが伸びる可能性が示唆された。続いて、採取した腫瘍を免疫染色を用いて血管の性状について調査する段階に移った。しかしながら、この段階で再度、細胞培養~移植~Xenograftの作成をプロトコール通り実施してもうまくいかないケースが続き、実験の進行は遅々として進まなくなった。細胞の培養環境の調整(特に培養液の見直し)を行ったがはっきりとした原因を特定することはできなかった。
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