研究課題/領域番号 |
18K16848
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
喜友名 朝則 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (10433103)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / 音声障害 / 嚥下障害 |
研究実績の概要 |
声帯に器質的異常のない音声障害(痙攣性発声障害、心因性失声症、本態性音声振戦症)では脳活動の異常がその病態として推定されているが、対症療法のみ存在し病態に応じた治療法は確立されていない。また咽頭期が原因の嚥下障害では、咽頭の感覚や運動を改善するような治療が必要であるが、各種リハビリは行われているものの統一した手技や効果のエビデンスに乏しく、嚥下機能を早期に向上させるような治療法は確立されていない。 経頭蓋直流刺激(transcranial direct current stimulation; 以下tDCSと略す)は経皮的に脳組織へ弱い直流電流を流す事で脳神経の活動を修飾するもので、脳卒中回復期リハビリ、鬱病などの治療として臨床で用いられつつある。本研究の目的は、声帯に器質的異常のない音声障害、咽頭期が原因の嚥下障害の脳活動を計測し、その結果に基づいてtDCSをリハビリテーションに併用し、より効果を上げる治療法を確立することである。 現在、tDCSを器質的異常のない音声障害に対して文章朗読と併用して行い、一時的に症状の改善がみられる症例も認めた。特に痙攣性発声障害では刺激終了時に明らかに症状が改善している症例もあった。しかしまだ症例によってあるいは同じ症例でも時期により効果が一定せず、刺激の領域や頻度に関しても現在模索中である。嚥下障害に対しては症例がまだ確保できていないことも有り、これから行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
器質的な異常のない音声障害に関しては症例の確保ができており、おおむね順調であるが、嚥下障害に関しては症例の確保ができていないため今後開始していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
音声障害に関してはそのまま進める。嚥下障害に関しては症例の確保に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を研究責任者、分担者のみで行ったため、実験補助者へ支払う人件費に残高が生じた。次年度は消耗品の再購入やさらなる学会発表の旅費が必要になってくるため、そちらに使用する。
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