声帯に器質的異常のない音声障害5例に対して従来のリハビリテーションに加えて経頭蓋直流電気刺激を行った。痙攣性発声障害3例において、自覚的にも他覚的にも一部効果を認めたものの、再現性に乏しく、持続期間も短かった。研究期間中に他の治療(手術治療、ボツリヌス治療)が保険適応され、それらの治療より優位性を示すことができなかった。本態性音声振戦症、心因性失声症においても優位な効果は認めなかった。全体的にこれらの音声障害に対する経頭蓋直流電気刺激の有効性は示せなかった。嚥下障害症例に関しては本研究を行うのに適切な症例のリクルートが困難であり研究を遂行することができなかった。
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