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2018 年度 実施状況報告書

microRNAとエピゲノム解析によるHPV関連中咽頭癌予後不良因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 18K16850
研究機関横浜市立大学

研究代表者

波多野 孝  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (40807583)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードヒト乳頭腫ウイルス関連中咽頭癌 / エピゲノム / マイクロRNA
研究実績の概要

ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)関連中咽頭癌は化学放射線治療に対する感受性がよく、HPV陰性の従来型の中咽頭癌と比べ予後が良好である。そのため、2018年に改訂された頭頸部癌取り扱い規約においても中咽頭癌はHPV感染の有無により大きく異なる病期分類となった。しかしながら、HPV陽性中咽頭癌の中にも予後不良な経過をたどる例は依然として存在しており、その理由は明らかではない。
一方で、我々は先行研究としてHPV関連頭頸部癌細胞株に対し次世代シークエンサーにターゲット濃縮手法を組み合わせることで全組み込み部位の詳細な解析を施行し、その結果、HPV関連頭頸部癌細胞株において、HPVは遺伝子間領域に組み込まれていることを確認している。そのため、HPV関連頭頸部癌では遺伝子変異だけでなく、エピゲノム変化が関連していると考え、同細胞株にバイサルファイトパイロシークエンスを行った結果、ゲノムワイドな低メチル化が生じていることを確認した。
そのため、本研究ではまずHPV関連頭頸部癌細胞株を用いて網羅的マイクロRNAプロファイリングを行い、HPV感染により発現が変動するマイクロRNA群の中から予後に影響を及ぼすと考えられる細胞増殖、浸潤、転移に関連するマイクロRNAを同定することより開始した。その結果、細胞増殖、浸潤に関連する結果が得られたため、今回同定したマイクロRNAがOncomiRである可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

HPV関連頭頸部癌細胞株に対し網羅的マイクロRNAプロファイリングを施行し、さらに、公共データベースと当科で施行した結果照合することにより、HPV感染の有無と相関するマイクロRNAを絞り込み、同定した。これらのマイクロRNAの発現をRNAiにより増加および抑制し、細胞増殖能、遊走能、浸潤能の変化を確認しており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後、HPV陰性細胞株に対しHPV16遺伝子ベクターを導入し、今回同定したマイクロRNA
の発現変動を確認する。さらに同RNAの発現変動により変動する下流の遺伝子変化群の解析を行う。
その後、今回同定したマイクロRNAが予後予測因子となりえるかの検証のためHPV関連中咽頭癌臨床検体においてその発現を検討する。

次年度使用額が生じた理由

研究効率を工夫したことにより試薬をはじめとする消耗品の使用を削減することができ、物品費の支出を抑制することができたため。
研究進捗をより推進するため、次年度へ謝金を充填する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] FOSL1 promotes regional metastasis of head and neck squamous cell carcinoma2018

    • 著者名/発表者名
      佐野 大佑, 澤熊 香衣, 百束 紘, 波多野 孝, 磯野 泰大, 高田 顕太郎, 佐藤 要, 桑原 達, 相澤 圭洋, 折舘 伸彦
    • 学会等名
      第77回日本癌学会総会
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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