本研究では、DFNA1の新規変異(R1204X/R1213X)に対する2種類のモデルマウス(DIA-TGおよびDIA-KI)を用いて、DIA1の発現細胞種および細胞内局在を明らかにした。DIA1は蝸牛有毛細胞頂側結合に局在し、変異体発現マウスでは同部位に形態異常を呈することを明かにした。また、DIA-TGに音響暴露を行うと、野生型マウスと比較して有意にリボンシナプスの減少と聴毛の形態異常が観察された。すなわち、DFNA1の主要病変部位は蝸牛有毛細胞頂側結合であり、それによる潜在的な蝸牛有毛細胞脆弱性亢進と進行性の有毛細胞脱落が、DFNA1の難聴発症メカニズムであることを明かにした。
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