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2018 年度 実施状況報告書

IgG4による好酸球性中耳炎病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16854
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

高橋 優宏  国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (50315800)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード好酸球性中耳炎 / IgG4陽性細胞
研究実績の概要

好酸球性中耳炎は、好酸球の活性化やムチン産生あるいはIgE産生などの2型 ( Type 2)炎症反応の誘導および遷延化を特徴とする炎症疾患である。好酸球性中耳炎は進行性の重度難聴にいたる症例もあるが、その病態は解明されていない。結核性中耳炎、ANCA関連中耳炎と並んで難治性中耳炎の代表であり、疾患特異的な診断法および根治的治療法を確立するため、病態の解明は急務である。好酸球性中耳炎の発症あるいは増悪に関わる因子として、外的因子としては黄色ブドウ球菌、真菌、ウィルスあるいはバイオフィルムなどが、また内的因子としてアラキドン酸代謝偏倚や抗体産生異常あるいは凝固線溶系の不均衡などが疑われている。慢性炎症、特に2型炎症反応への関与が明らかとなりつつあるIgG4に着目し、IgG4による好酸球性中耳炎の病態関与について検討した。
対象は好酸球性中耳炎患者5例および対照患者5例において検討した。
方法は好酸球性中耳炎患者および対照患者(人工内耳手術患者)の中耳粘膜におけるIgG4陽性細胞を免疫染色にて同定し、重症度別の発現率や浸潤好酸球/マスト細胞数との相関を検討した。結果、好酸球性中耳炎患者の中耳粘膜にはIgG4陽性細胞が多数発現しており、対照患者には発現がみられなかった。IgG4 関連疾患において マスト細胞がIgG4 陽性細胞の制御に深く関与することが最近明らかになっている。好酸球中耳炎においてIgG4陽性細胞が多数集簇していることが明らかとなり、IgG4あるいはIgG4発現細胞が好酸球中耳炎の病態に何らかの関与を示すことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

好酸球性中耳炎におけるIgG4陽性細胞の関与は明らかとなっており、第37回日本耳鼻咽喉科アレルギー学会にて成果発表を行った。今後は耳茸分離細胞を IL-4+抗 CD40 抗体等て刺激し、in vitro IgG4 産生か誘導されるか検討する予定である。

今後の研究の推進方策

好酸球性中耳炎におけるIgG4陽性細胞の関与は明らかとなった。対照患者の集積は順調であるが好酸球性中耳炎症例の集積が十分ではなく、今後症例蓄積のため患者の同意取得をより一層進めていく予定である。また、好酸球性副鼻腔炎症例におけるIgG4研究を積極的に施行している岡山大学との連携(特に免疫組織染色、サイトカイン誘導)を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

国際学会での発表を次年度に計上し、免疫組織染色試薬の一部を次年度に計上したため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 好酸球性中耳炎におけるIgG4陽性細胞の発現2019

    • 著者名/発表者名
      高橋優宏、岡野光博
    • 学会等名
      第37回日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会総会・学術講演会
  • [学会発表] IgG4 expression in patients with eosinophilic otitis media2019

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Takahashi
    • 学会等名
      32nd Politzer Society Meeting

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公開日: 2019-12-27  

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