先天性高度難聴の発症率は1,000人に1人の割合であり、その約半数は遺伝子の関与があるといわれている。遺伝性難聴の中でも最も頻度が高い原因遺伝子は、 ギャップ結合蛋白であるコネキシン26をコードしているGjb2遺伝子である。先天性高度難聴児は幼少児期に末梢平衡機能にも障害を伴う頻度が極めて高いことが 知られており著しく患者のQOLが低下するためその治療法の確立が強く求められている。前庭器官と蝸牛を共に標的としたGjb2遺伝子治療ベクターの投与法の開発は低侵襲な治療法であり、その治療法の確立は学術的および社会的意義は高いといえる。
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