研究課題/領域番号 |
18K16866
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
小泉 弘樹 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70461572)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外耳道 |
研究実績の概要 |
本邦では綿棒を耳掃除のために使用することを前提とした、「耳掃除用綿棒」や「取れた汚れがはっきりわかる黒い綿棒」などの記載が見られる製品が多数存在する。 「綿棒耳そうじ用」や「やさしい涙形+やみつきになるスパイラル」と記載がある。「やみつきになる」とは、その事にとりつかれて夢中になり、悪いくせになってしまって、どうにもやめられなくなること、病気になることであり、文字通り病み付きになる、換言すれば病気が憑り付いた状態である。綿棒による耳掃除が病み付きになれば、図2のように、綿棒で耳掃除をすると外耳道知覚低下、外耳道湿疹がおこり、それに続いて角化物堆積、浸出液、耳がかゆくなる、さらに綿棒で耳掃除をするといった綿棒に病み付きになって負のスパイラルに突入することは容易に想像できる。外耳道癌の誘因として耳掃除による外耳道への慢性刺激も指摘されている。 本邦では多くの温泉の脱衣所や化粧室に綿棒が常備されている。慢性外耳道炎や中耳炎の起炎菌はブドウ球菌など表皮常在菌に加えて、真菌、緑膿菌などの湿潤環境に生息する菌が検出される。 頻回の綿棒使用はトラブルにつながることは、患者だけでなく耳鼻咽喉科医にも周知されていないので、今後さらなる啓蒙活動を行うために、外耳道皮膚バリア機能について外来で臨床研究中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当センターでは真珠腫性中耳炎や慢性中耳炎の手術を年間400例程度施行している。この症例数は日本屈指であるが、現在新型コロナウイルス感染症のため手術が中止となっているためである。
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今後の研究の推進方策 |
現在コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、鼻粘膜を検体とした研究は感染症のリスクが高いと考える。そのため、コロナウイルス感染の危険がない外耳道皮膚に対象を変えて研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっていたため、計画通りに研究が遂行できなかったため。
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