研究課題
本邦では綿棒を耳掃除のために使用することを前提とした、「耳掃除用綿棒」や「取れた汚れがはっきりわかる黒い綿棒」などの記載が見られる製品が多数存在する。「綿棒耳そうじ用」や「やさしい涙形+やみつきになるスパイラル」と記載がある。「やみつきになる」とは、その事にとりつかれて夢中になり、悪いくせになってしまって、どうにもやめられなくなること、病気になることであり、文字通り病み付きになる、換言すれば病気が憑り付いた状態である。綿棒による耳掃除が病み付きになれば、綿棒で耳掃除をすると外耳道知覚低下、外耳道湿疹がおこり、それに続いて角化物堆積、浸出液、耳がかゆくなる、さらに綿棒で耳掃除をするといった綿棒に病み付きになって負のスパイラルに突入することは容易に想像できる。外耳道癌の誘因として耳掃除による外耳道への慢性刺激も指摘されている。本邦では多くの温泉の脱衣所や化粧室に綿棒が常備されている。慢性外耳道炎や中耳炎の起炎菌はブドウ球菌など表皮常在菌に加えて、真菌、緑膿菌などの湿潤環境に生息する菌が検出される。頻回の綿棒使用はトラブルにつながることは、患者だけでなく耳鼻咽喉科医にも周知されていないので、今後さらなる啓蒙活動を行うために、外耳道皮膚バリア機能について外来で臨床研究を行った。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件)
耳鼻咽喉科臨床
巻: 114 巻 ページ: 84-85
10.5631/jibirin.114.84
Global Journal of Otolaryngology
巻: 24 ページ: 1-5
10.19080/GJO.2021.24.556139