研究課題/領域番号 |
18K16871
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 正宣 北海道大学, 大学病院, 助教 (70455658)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / 慢性副鼻腔炎 / 鼻ポリープ / リモデリング / MMP9 / SIRT1 / エピジェネティック / HDAC |
研究実績の概要 |
本年度は、好酸球性副鼻腔炎で頻発する鼻ポリープに関するサイトカインであるMMP9のSIRT1による制御について検討した。 まず、鼻粘膜上皮初代継代細胞に、Poly(I:C)とSIRT1活性剤・阻害剤を投与し、qPCR法とELISA法にてMMP9の発現を確認した。Poly(I:C)によってMMP9が誘導されることが明らかになった。Poly(I:C)の投与がなければ、MMP9の発現はSIRT1活性剤・阻害剤に影響されなかったが、Poly(I:C)が投与された場合、SIRT1活性剤・阻害剤によってMMP9の発現が制御されることが明らかになった。またZymogram法で活性を評価したが、発現と同じく活性もSIRT1の活性剤・阻害剤にて変化することがわかった。 また、鼻茸を伴う副鼻腔炎、伴わない副鼻腔炎、健常例由来の鼻粘膜によって構成されたTissue micro arrayを使い、蛍光免疫染色法にてMMP9とSIRT1の発現の間の相関を確認した。また、MMP9とSIRT1の鼻粘膜局所発現部位について検討した。いずれも、SIRT1がMMP9の発現を制御することを示唆する結果であった。 MMP9はNFKBのターゲット遺伝子であることから、他のNFKBターゲット遺伝子にも同様の制御が存在する可能性がある。現在、SIRT1によって制御されている他のサイトカインを網羅的に検索するため、microfluidic qPCR法やMultiplex ELISA法にて検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験系を確立することができ、予想されていた結果を得ることもできている。MMP9の発現がSIRT1によって制御されていることを明らかにしている。また、臨床検体を用いた検討でも、MMP9とSIRT1の間に有意な相関が見られた。MMP9はNFKBのターゲット遺伝子であることから、他のNFKBターゲット遺伝子にも同様の制御が存在する可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
MMP9はNFKBのターゲット遺伝子であることから、他のNFKBターゲット遺伝子にも同様の制御が存在する可能性がある。 現在、SIRT1によって制御されている他のサイトカインを網羅的に検索するため、microfluidic qPCR法やMultiplex ELISA法にて検討を重ねている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は実験が順調に進んだため、無駄な試薬を使用せずに最大の効果を得られることができたため、次年度使用額が生じた。この額は、次年度において、qPCR法のプライマー購入に充てる予定である。
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