顔面神経麻痺の新たな救済治療法の開発が望まれる中、顔面神経麻痺動物モデルを用いた基礎研究の報告が散見されるが、臨床病態に即したモデルの作製、正確な運動評価法の確立、有用な薬剤の探求といった課題が残されている。本研究では、末梢性顔面神経麻痺の病態により近い側頭骨内顔面神経障害モデルの作製を試みた。さらに、このモデルを用い、坐骨神経再生で有用性が報告されているinsulin-like growth factor 1 (IGF-1)や自己幹細胞誘導因子を除法用製剤を用いて投与し、顔面神経機能回復能を確認した。IGF-1が有用であり、今後はヒトでの臨床応用を視野に、さらに研究を進めていく予定である。
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