スギ花粉舌下免疫療法は、スギ花粉とヒノキ花粉との主要抗原の高い相同性から、ヒノキ花粉症に対しても効果が期待されたが、効果は半数程度にとどまる。本研究ではその原因を検討した。 スギ花粉舌下免疫療法後には、スギ花粉の主要抗原であるCry j 1 特異的IgG4が産生され、Cry j 1刺激で末梢血単核球からIL-10産生が誘導される。しかしながら今回の研究では、スギ花粉舌下免疫療法後に、ヒノキ花粉の主要抗原であるCha o 1, Cha o 3でこうした変化が認められず、スギ花粉舌下免疫療法のヒノキ花粉症に対する免疫学的効果は限定的であると考えられた。
|