新しい耳石機能検査として偏中心回転検査の研究を行なった。偏中心回転検査で異常を数値化し、従来からの耳石機能検査(VEMP)の結果と比較することで本検査の信頼性を検討した。臨床応用するために人工内耳術前後の耳石機能検査を行ったところ、oVEMPでは高率に術後に異常が認められたが、偏中心回転検査で異常はほとんど見られなかった。術後に自覚的なふらつきなど自覚がない患者でもoVEMPの異常が出たため、VEMPは鋭敏に機能異常を検出しているが逆にoverestimateしている可能性も考えられた。 また、BPPVの重症度分類には至らなかったが、BPPV患者の検査(エプリー法)について、各検査頭位の維持に時間をかけない群と3分ずつ維持する群をランダムに割り付けて治療効果を比較した。検査自体は時間をかけない群の方が即時効果が高かったが、30分後の再検査では病的眼振が再び認められたため、BPPVの疲労現象による効果の可能性も考えられた。
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