我々は声帯体積増量、維持を目指した。小動物声帯に脂肪を注入するためには細い針の使用が求められるが、脂肪は18Gなど太径針でなければ針内を通過しないことを確認した。ラット声帯内への脂肪注入は断念せざるを得ず、移植先臓器を声帯から舌へと変更することとした。 脂肪のみ、または抽出したADSC(脂肪由来再生細胞)を脂肪に添加したものをラット舌に注入して1日後、7日後での脂肪残存率を確認した。7日後における脂肪残存率はむしろADSC添加がない方が高かった。これはADSC抽出のために足場となる脂肪が半減したことで注入物の質が低下したことが要因として考えられ、結論を出すにはさらなる検証が必要である。
|