リゾフォスファチジン酸(LPA)は生体内で多様な働きを持つ生理活性脂質であり、癌細胞に対するLPA刺激が、細胞増殖能や遊走能の亢進に作用することが知られている。LPA受容体にはLPA1-6の6つのサブタイプがあることが知られている。頭頸部癌での分布や発現量の差異については不明な点が多い。また古典的に知られているLPA1-3に対し、2000年以降新規に発見されたLPA4-6に関しては遺伝的系譜が異なるとされその作用についても不明な点が多い。今回上咽頭癌症のLPA受容体解析を行い、臨床像との比較を行った。放射線治療抵抗性の症例においてLPA1/LPA5比が高い可能性が示唆された。
|