研究課題
1.シラカバ花粉症患者では花粉飛散期に末梢血中で活性化の指標となる ICOS 陽性 Tfh 細胞が非飛散期と比較して増加していた。ICOS 陽性 Tfh 細胞はシラカバ特異的 IgE 抗体の産生に重要な役割を担っており、病態の中心となっていると推察される。2.アレルゲン免疫療法を行うと 24 か月目で患者血液中の制御性 T 細胞が増加していた。3.アレルゲン免疫療法著効群では 6 か月目と 12 か月目で患者血液中の制御性 T 細胞とTfh2 細胞は有意な負の相関を認めた。4.アレルゲン免疫療法著効群では 6 か月目と 12 か月目で患者血液中の濾胞制御性 T 細胞とTfh2 細胞は有意な負の相関を認めた。5.アレルゲン免疫療法 3 か月目で患者血液中の制御性 B 細胞は増加し、その後はベースラインレベルまで減少し、その後は不変であった。アレルゲン免疫療法 3 か月目の制御性 B 細胞とダニ抗原特異的 IgE 値は有意な正の相関を認めた。6.アレルゲン免疫療法著効群と非改善群に分けて検討したところ、著効群では好酸球と血清 IgE の増加と Tfh 細胞では Tfh2 細胞の有意な増加を認めた。さらに著効群では 1 年後に高頻度にダニ抗原特異的 IgG4 が誘導されており、アレルゲン免疫療法が効果を発揮するメカニズムの一つを反映していると考えられた。7.昨年度に報告した患者血液中の PD-1 陽性 Tfh 細胞の割合が治療開始前と比べて増加しているという結果に関して、今回アレルゲン免疫療法開始後 24 か月の長期データが得られて解析を行ったところ、24 か月目においても、免疫療法開始前と比較して患者血液中の PD-1 陽性 Tfh 細胞の割合は増加していた。
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