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2019 年度 実施状況報告書

薬剤耐性頭頸部扁平上皮癌における放射線耐性の検討と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16900
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

波多野 芳美  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (90792672)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード腫瘍溶解ウイルス / 頭頸部扁平上皮癌 / 薬剤耐性株
研究実績の概要

獲得する機序の解明と、再発腫瘍の新規治療薬の開発を目的とした。名古屋大学で分離され様々な腫瘍に抗腫瘍効果を示す、腫瘍溶解ウイルスHF10の新規治療薬としての可能性を追求した。本研究では、我が国最初の抗腫瘍ウイルスであるHF10が再発頭頸部扁平上皮癌への新たな治療選択肢となるための抗腫瘍効果、安全性などにつきin vitro、in vivoの両面から検討した。具体的には薬剤耐性細胞株の作成と薬剤耐性化、放射線耐性化の機序、腫瘍溶解ウイルスHF10の薬剤耐性株への抗腫瘍効果の3点につき検討した。
UM-SCC23(親株)からシスプラチン耐性株(23CR)、5-FU耐性株(23WR株)を誘導し、各薬剤に耐性であることを確認した。まず細胞増殖を検討したところ、23CR株が最も良好な増殖性を示した。次に放射線治療を行ったところ、シスプラチン耐性株のみ放射線療法に耐性を示した。これらの耐性株に対するHF10の抗腫瘍効果を検討したところ、in vitroではHF10はMOI依存的に殺細胞効果を示した。また、その殺細胞性は23CR株で最も効果的であった。23CR株、23WR株はヌードマウスに接種すると皮下腫瘍を形成することが確認し、その造腫瘍性は23CR株で顕著であった。23CR株、23WR株で皮下腫瘍を作成し、HF10を接種したところ、両腫瘍ともHF10により縮小した。またその効果は23CR株で顕著であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

UM-SCC23(親株)からシスプラチン耐性株(23CR)、5-FU耐性株(23WR株)を誘導し、各薬剤に耐性であることを確認した。まず細胞増殖を検討したところ、23CR株が最も良好な増殖性を示した。次に放射線治療を行ったところ、シスプラチン耐性株のみ放射線療法に耐性を示した。これらの耐性株に対するHF10の抗腫瘍効果を検討したところ、in vitroではHF10はMOI(ウイルス力価)依存的に殺細胞効果を示し、その殺細胞性は23CR株で最も効果的であった。
23CR株、23WR株はヌードマウスに接種すると皮下腫瘍を形成することが確認されたが、23CR株は少ない細胞数で腫瘍を形成し、23CR株が造腫瘍性が最も顕著であることが示された。23CR株、23WR株で皮下腫瘍を作成し、HF10を接種したところ、両腫瘍ともHF10接種により縮小した。またその効果は23CR株で顕著であった。
以上当初の計画通り進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在、シスプラチン耐性株で特にHF10の効果が認められた理由を検索しているところである。in vitroではシスプラチン耐性株の細胞増殖が増加していたため、HF10の増殖が亢進したと仮定して、セルシグナルに関与するシグナル経路を探索しているところである。またin vivoでは、皮下腫瘍を採取し、組織学的検査とともにHSV抗原の発現の有無を検討し、またその発現期間その期間を検討している。
以上の結果をまとめ、発表予定である。

次年度使用額が生じた理由

特にin vitroの実験系は他の研究費と消耗品を共有しているため、研究費が余る結果となった。今後はヌードマウスを使用した実験などがあり、研究費が必要となる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Oncolytic activity of HF10 for drug-resistant head and neck squamous cell carcinoma2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshimi Hatano
    • 学会等名
      12th International Oncolytic Virus Conference
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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