研究課題/領域番号 |
18K16906
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鴨頭 輝 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30807152)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ミトコンドリア / 動的評価 / 拡散係数 / 細胞骨格 |
研究実績の概要 |
去年度に引き続き、蝸牛培養細胞株(HEI-OC1)において、ミトコンドリアの動的及び静的な評価を行った。ミトコンドリア障害モデルでの評価も同様に行った。 ミトコンドリアの動きをOpenCVを使用して特徴点抽出及びoptical flowを算出し連続追跡を行い、拡散係数等を算出し、細胞骨格阻害薬に曝露した上で同係数等を算出し、ミトコンドリアの動的評価を行った。 サイトカラシンDによる阻害での拡散係数の減少はノコダゾールよる阻害での拡散係数の減少に比べて大きく、本研究で使用している蝸牛培養系では神経細胞における微小管優位のミトコンドリア輸送の仕組みとは異なり、アクチンミオシン系によるミトコンドリア動的制御の働きが大きいことが考えられ、この結果は再現性が確認された。蝸牛器官培養での評価も試みているが、収量が半分以下で評価に適する検体の数が少ないため再現性の評価に難渋している。 ミトコンドリア障害モデルにおいては、当初の実験で拡散係数が減少する傾向にあったが、継代を繰り返した細胞においては逆に係数が上昇する結果が得られており、一部、実験毎に一貫性のない結果が得られており原因の究明に時間を要している。 追加して、キノン系の抗酸化物質によるミトコンドリア保護モデルにおいての拡散係数の評価を行った。保護モデルにおいては、拡散係数が増加する傾向にあり、ミトコンドリア保護によって動的な側面が改善する可能性が示唆された。今後、結果の再現性を確認し、器官培養での評価も試みる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
細胞障害モデルにおける結果に再現性がなく、細胞の継代にともなって結果が変化する現象が認められ、原因の究明に時間を要しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までに得られた結果のうち再現性のある部分に関して考察を進める。 ミトコンドリア保護モデルにおける動的評価を進めるとともに、蝸牛器官培養での再現性を確認する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
一部実験の延期を行ったため
|