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2018 年度 実施状況報告書

眼内悪性リンパ腫の疾患特異的遺伝子に基づく最適化治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16918
研究機関東京大学

研究代表者

田岡 和城  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30529178)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード眼内悪性リンパ腫 / BTK阻害剤
研究実績の概要

眼内悪性リンパ腫は眼科疾患の中で最も生命予後の悪い腫瘍性疾患の一つである。また、診断法も未だ確立されておらず、標準治療も確立されていない。
眼内悪性リンパ腫の原因遺伝子の探索のため、患者検体をDigital PCR解析を用いて解析を行った。北海道大学、東北大学、大阪大学と眼内悪性リンパ腫の遺伝子解析の共同研究を行った。候補遺伝子を絞り込み、この新規変異遺伝子を含む4遺伝子(MYD88,CD79B,BTG2,PIM1遺伝子)を同定した。この4つの疾患特異的遺伝子で症例の約85%を網羅することができ、IOLの補助診断ともなりうる(特許申請済み)。
更に、我々の解析で、特にCD79B遺伝子変異の症例は、再発率が有意に高いことが分かった。疾患関連遺伝子であるMYD88 及びCD79B遺伝子変異に対するシグナル阻害薬であるBTK 阻害剤は、網膜血液関門透過性が良好で治療候補薬であることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

眼内悪性リンパ腫の原因遺伝子の探索のため、患者検体をDigital PCR解析を用いて解析を行い、新規変異遺伝子を含む4遺伝子(MYD88,CD79B,BTG2,PIM1遺伝子)を同定した。この4つの疾患特異的遺伝子で症例の約85%を網羅することができ、IOLの補助診断ともなりうる(特許申請済み)。
更に、我々の解析で、特にCD79B遺伝子変異の症例は、再発率が有意に高いことが分かった。疾患関連遺伝子であるMYD88 及びCD79B遺伝子変異に対するシグナル阻害薬であるBTK 阻害剤は、網膜血液関門透過性が良好で治療候補薬であることが分かった。

今後の研究の推進方策

(1)眼内悪性リンパ腫の疾患遺伝子であるCD79B細胞株に対するBTK阻害剤の有効性
まず、眼内悪性リンパ腫の疾患遺伝子であるCD79B遺伝子変異リンパ腫細胞株(PCNSL-MSK cells)を用いて、BTK阻害剤が有効であるか検証する。細胞増殖能、アポトーシス、NF-κBを濃度依存性(0.01,0.1,110,100nM)に評価する。
(2)眼内悪性リンパ腫ラットモデルの作成
眼内悪性リンパ腫の遺伝子変異を持った蛍光タンパク質を導入したCD79B変異のあるリンパ腫細胞株を免疫不全ラットに眼内移植する。(実験中、下記図表参照)眼内に細胞株が生着したかを、IVIS Imaging Systemを用いて同一動物のリアルタイムな生体反応を in vivoで経時的に観察する。
さらに、眼内悪性リンパ腫の患者サンプルを用いて、免疫不全ラットに眼内移植を行う。私は、眼内悪性リンパ腫に高頻度にみられる遺伝子変異はMYD88、CD79B、PIM1、BTG2であることを見出した。それそれの遺伝子変異を持った、複数種類の患者由来眼内悪性リンパ腫モデルを構築する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [産業財産権] 米国出願番号 62/7857322018

    • 発明者名
      2018
    • 権利者名
      2018
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      62/785732
    • 外国

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公開日: 2024-12-25  

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