研究課題/領域番号 |
18K16921
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
菊島 渉 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (60791423)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ポリープ状脈絡膜血管症 / 加齢黄斑変性 / 感受性遺伝子 / 光線力学的療法 |
研究実績の概要 |
令和元年度と同様に、未治療ポリープ状脈絡膜血管症患者の新規症例の蓄積を継続中であるが、COVID-19の拡大に伴う受診控えの影響などもあり、当初の予定よりも症例数は少ない状況となっている。一方で、治療前視力が比較的良好な未治療PCVに対するアフリベルセプト硝子体注射の単独治療例の長期成績をまとめ、当該年度に論文発表を行い、本研究の組み入れ患者も一部含まれた(Kikushima et al, Journal of Clinical Medicine 2021, Mar 5)。本報告において、5年間の長期経過中の再発について、加齢黄斑変性感受性遺伝子であるAMRS2A69S遺伝子のリスクアレルに相関を認めた。現在、症例数は当初予定よりも少ないが、最終年度に向けてアフリベルセプト硝子体注射単独群と光線力学的療法併用群の長期成績につき統計解析を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述のごとく、COVID-19感染拡大に伴う受診控えの影響で、新規患者組み入れに遅れが生じている。引き続き症例組み入れを継続するが、長期成績の報告は当初予定よりも少ない症例数で行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
次年度が最終年度となるため、長期成績が利用可能な症例数で検討を行い、学会や論文での発表を予定している。前年度には光線力学的療法併用群での長期成績を報告し(Kikushima et al. Plos One 2020)、当該年度には前述のごとくアフリベルセプト単独治療群での長期成績を報告している(Kikushima et al. Journal of Clinical Medicine 2021)ため、途中経過としてはおおむね順調と考えている。次年度には両群の長期成績につき比較し、ポリープ状脈絡膜血管症の初回治療選択に有用となりうる治療前因子の決定を目指し検討を進める方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の世界的な感染拡大に伴い、出席を予定していた米国での学会参加が不可能となったため。また、感染拡大に伴う受診控えの影響などにより新規症例の組み入れが当初予定よりも少なく、遺伝子解析に用いる試薬の購入費が減額したため。次年度の使用計画として、新規症例の遺伝子解析に必要な試薬および実験器具の購入、データとりまとめおよび統計解析・論文作成に必要な電子機器の購入、COVID-19の状況によっては参加可能な国内学会への参加費などに充てる予定である。
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