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2018 年度 実施状況報告書

新規遺伝子異常を有する疾患特異的iPS細胞を用いた網膜色素変性症の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K16923
研究機関京都大学

研究代表者

岩井 祥子  京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (00768905)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードiPS-RPE / MERTK遺伝子変異
研究実績の概要

網膜色素変性は、中途失明の上位を占める遺伝性の網膜脈絡膜の変性疾患である。視細胞や網膜色素上皮(RPE)で働く100以上の遺伝子異常が同定されているが、患者から病変組織を採取することが不可能なため正確にヒトの病態を再現することが難しく、これまで詳細な病態解明や治療法の開発が困難であった。しかし、iPS細胞から網膜色素上皮(iPS-RPE)へ分化誘導する方法を確立し、患者由来iPS-RPE細胞を得ることができるようになった。本研究では、それぞれ異なった新規MERTK遺伝子変異をもつ網膜色素変性患者から樹立したiPS細胞由来のRPEを用いて、患者iPS-RPEでの細胞形態、貪食機能、遺伝子・タンパク発現などを健常人iPS-RPEと比較することで、病態メカニズムを明らかにし、将来的な治療法開発の礎を築くことを目的とした。
1、患者由来iPS細胞ならびに健常コントロール由来iPS細胞を樹立した。また、これらのiPS細胞からRPE細胞(iPS-RPE)を分化させた。
患者由来iPS-RPE細胞と健常者由来iPS-RPE細胞間で、
2、形態に差異がないか、光学顕微鏡下で観察した。また免疫染色によりRPE特異的蛋白質の発現状況を観察した。その結果、両者間で差異は認めなかった。
3、貪食能に差異がないか、蛍光ビーズならびに摘出牛眼視細胞外節を用い、蛍光顕微鏡下での観察、FACS解析ならびにロドプシンのウェスタンブロッティングを行い、多角的に検討した。その結果、患者由来RPEのほうが健常者由来RPEより貪食能が低下していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績にも記載した通り、平成30年度の研究計画は順調に進展した。

今後の研究の推進方策

H31年度の研究計画では、ひきつづき患者由来iPS細胞と健常者由来iPS細胞をそれぞれRPE細胞に分化させ、これらのiPS-RPE細胞を使用して、貪食機能低下について追加実験を施行するとともに、遺伝子発現状況に関して両者に差異がみられるか比較検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

人件費において、研究推進の為に補佐員を雇う予定であったが、実験が順調に進展したためその必要がなくなった。また予備検討実験がスムーズに進捗した為、物品費、その他経費が少なく済んだ。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Reduction of lipid accumulation rescues Bietti’s crystalline dystrophy phenotypes2018

    • 著者名/発表者名
      Hata Masayuki、Ikeda Hanako O.、Iwai Sachiko、Iida Yuto、Gotoh Norimoto、Asaka Isao、Ikeda Kazutaka、Isobe Yosuke、Hori Aya、Nakagawa Saori、Yamato Susumu、Arita Makoto、Yoshimura Nagahisa、Tsujikawa Akitaka
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences

      巻: 115 ページ: 3936~3941

    • DOI

      10.1073/pnas.1717338115

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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