ヒト網膜の外層には視細胞、内層には双極細胞、網膜神経節細胞といった神経細胞が存在する。網膜血管は網膜内層に存在し、内層の神経細胞を栄養することで機能的に連関している。網膜血管は、組織学的には立体的に3-4層に連なるとされているが、従来の蛍光眼底造影では、その低い解像度の問題から立体的な構築はわかってこなかった。 本研究では、縦分解能が3umの光干渉断層計血管造影、補償光学レーザー検眼鏡を用いて、これらの血管を立体的に分離することに成功した。従来の方法ではわからなかった、網膜血管の微小循環単位が明らかとなり、網膜血管の生理、また網膜無灌流などの病態解明に有用な所見が明らかとなった。
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