ATCCで購入したARPE19細胞を継代して下記研究を行った。 ARPE19細胞のタイトジャンクション機能を把握するために、confluentになるまで培養し、さらにconfluentになってから1週間、2週間、3週間、4週間の時点でTERを測定した。 過去の報告と同様にconfluentになってから2週間までTERは増加し、その後平坦となった。タイトジャンクション機能には最低2週間が必要と考えられたため、同様にARPE19細胞を培養し、免疫染色を行なった。染色マーカーとしては、タイトジャンクション及びアドヘレンスジャンクション機能を示すZO-1及び、E-cadherin、N-cadherinを用いた。細胞がconfluentになってから、次第にZO-1の染色は強くなり、N-cadherinも同様であった。上皮細胞のアドヘレンスジャンクションのマーカーであるE-cadherinは染色されなかった。次に、上皮細胞における細胞接着と関連があると報告されているYAPを染色したところ、confluentになってから3週間及び4週間の時点では、細胞同士の接着が強固となっているためか、染色自体がうまくいかなかった。そのため、培養条件の変更を行なった。 具体的には、細胞濃度が薄い群、濃い群にわけ、1週間以内で上記マーカーについて検討した。 ZO-1及びNcadherinは同様に時間の経過とともに染色は強くなった。また、上記条件では染色されなかったYAPは今回の条件でさらに染色条件を変更することにより染色の確率が上昇した。現在YAPの変動を見るための検討を行なっているところである。
|