角膜全層切開モデルのTRPV1KOマウス角膜では、角膜実質の癒合治癒が遅延していた。免疫組織学的にはKOマウス角膜で筋線維芽細胞の出現が抑制され、治癒過程で活性型TGFβ1がKOマウス角膜で遅れて発現し、KOマウス角膜ではTGFβ1の発現が遅れ筋線維芽細胞の抑制と創傷治癒の遅延をおこす可能性が考えられた。透過型電子顕微鏡で角膜組織を観察すると、KO角膜では小胞体が拡張していた。 TRPV1KOマウス角膜では、角膜実質治癒過程でのTGFβ1発現の抑制により筋線維芽細胞やコラーゲンの発現が抑制されることが考えられ、TRPV1は角膜実質での創傷治癒促進・線維瘢痕化に関わる因子である可能性が示唆された。
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