滲出型加齢黄斑変性の病態の本体は脈絡膜新生血管である。脈絡膜新生血管に対して臨床的には抗血管内皮増殖因子抗体治療が効果的であるが、無効例、治療中の線維瘢痕化、一度抑制された新生血管の再燃、継続的な治療の必要性など克服されるべき課題は多い。 脈絡膜新生血管研究は、その動物モデルである実験的アルゴンレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを用いた血管新生抑制やその誘因となる炎症の抑制のための研究が活発に行われている。一般に新生血管は解剖学的に未熟な血管であるが、その血管周囲に存在する神経支配を介した新生血管の成熟による血管外漏出減少と出血の抑制に着目した研究は報告されていない。 マウスレーザー誘発脈絡膜血管新生はレーザー後1-2週で最大となり、その後退縮していくモデルであり臨床的にみられる脈絡膜新生血管の自然過程とは異なるために、まずはマウスレーザー誘発脈絡膜新生血管程の退縮に関与する因子の検討を行った。
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