研究課題/領域番号 |
18K16935
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
猪俣 武範 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10645667)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 制御性T細胞 / 抗CD80/86抗体 / 誘導性制御性T細胞 / 角膜移植 / 血管新生 / 免疫寛容 / ハイリスク角膜移植 |
研究実績の概要 |
角膜移植後の急性拒絶反応に対して、ステロイドやタクロリムスなどの免疫抑制剤を中心とした治療が行われているが、感染症、自己免疫性疾患の合併、再移植などで血管新生を生じたハイリスク症例では未だにその40-90%に高い拒絶反応を伴う。 制御性T細胞は免疫抑制的に働き、副作用なく角膜移植片に免疫寛容を成立させることができると期待されえているが、ヒト生体内での制御性T細胞の増幅は難しく、有効な体外増幅法の開発が必要である。これまでに当大学では、ヒト腎・肝移植んいて抗CD80/86抗体で誘導・培養した制御性T細胞による新規免疫寛容誘導療法の可能性を明らかにしてきた。しかし、局所環境である角膜移植片において炎症や血管新生が惹起されたハイリスク症例に対して、体外で培養した制御性T細胞が生体内と同等の作用を発揮するかについては不明である。 そこで、本研究では血管新星を誘導したマウスハイリスク角膜移植モデルを作成し、抗CD80/86抗体で誘導・培養した制御性T細胞の角膜移植片に対する免疫抑制効果の機序を検証し、ヒト角膜移植における新規免疫寛容誘導療法開発に向けた一助とする。 2018年度は、角膜移植のレシピエントに用いるBALBcマウスのFoxp3ノックインマウスの繁殖を行った。このFoxp3ノックインマウスを用い、角膜血管新生マウスモデルを作成した。 2019年度は、抗CD80/86抗体を角膜血管新生マウスモデルに投与したところ、頸部リンパ節の制御性T細胞の減少を認めた。また、レシピエントの頸部リンパ節細胞とドナー抗原を使用したリンパ球刺激試験では、抗CD80/86抗体投与にて、T細胞の増殖抑制、IFNγの発現の低下を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
角膜移植のレシピエントにBALBcマウスを用いるため、C57BL6系統のFoxp3ノックインマウス (hCD2-Foxp3)をBALBc系統にバッククロスする必要があり、その繁殖に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
BALB/c-Foxp3ノックインマウスの繁殖に成功したため、今後の研究計画は円滑に進むものと考える。2020年度は、体外から移入した制御性T細胞の角膜移植片への移行性の確認、角膜移植片におけるTregと炎症性サイトカイン産生細胞の発現の解析を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
C57BL6系統のFoxp3ノックインマウス(hCD2-Foxp3)からBALBc系統へのバッククロスに時間を要し、実験が遅れたため次年度使用額が生じた。現在は、BALBc系統のFoxp3ニックインマウス(hCD2-Foxp3)の繁殖に成功しているため、2020年度は角膜移植後に抗CD80/86交抗体誘導性制御性T細胞を投与し、その免疫抑制作用を検証する。
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