研究実績の概要 |
マウス未熟児網膜症モデルにおける病的血管形成の程度が、マウスの体重によりばらつきが大きいため、体重別にグループ分けして水素水投与の効果判定を試みた。 グループで、体重①5.0~6.4、②6.5~7.4、③7.5~8.5gの3群とした。それぞれのグループ間での平均体重は、5.21、6.95、7.92gであった。それぞれ生後15において片眼に高濃度水素水、もう片眼に対象として生理食塩水を結膜下投与した。生後18日に摘出した眼球より網膜を採取し、Isolectin B4で染色して蛍光顕微鏡下網膜血管を撮影した。 撮影した写真を画像解析ソフトを用い、病的血管網を示す無血管領域(AVA)と血管新生領域(NVA)の面積を比較検討した。 結果は、まず、生理食塩水投与群において、①群に比べ③群は有意にAVA、NVAともに大きかった(P<0.01, P<0.01)。水素水投与と生理食塩水投与の比較では、①群では水素水投与は対照と比べAVA, NVAとも有意差は見られなかった。②群では、水素水投与は対照比べ、NVAが有意に少なく(P=0.02)、AVAは有意な変化が見られなかった。③群は①群と同様にAVA、NVAとも有意な差はみられなかった。 ①群はAVA、NVAの結果にばらつきが大きく、また③群はともに領域が狭く投与の有無による変化を捉えにくい結果であった。したがって本研究の革新的な効果判定には、体重が少なすぎず、多すぎない個体がサンプルに適していると考えられた。したがって、今後は体重が6.0~7.5gのマウスでサンプル数を増やしてさらに検討を進めたい。
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