• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

加齢黄斑変性における病的新生血管の成熟と血管安定化の病態の統合的解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K16953
研究機関杏林大学

研究代表者

片岡 恵子  杏林大学, 医学部, 講師 (30760516)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード加齢黄斑変性 / 抗血管内皮増殖因子薬 / 脈絡膜新生血管
研究実績の概要

滲出型加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管(CNV)は、抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の治療を継続しても血管面積を拡大させると同時に、血管形態は成熟することを第125回日本眼科学会総会にて報告し、現在論文投稿中である。また、日本人の加齢黄斑変性の一部であると考えられるPachychoroid neovasculopathyにおけるCNVは、抗VEGF薬併用光線力学療法にて滲出のコントロールという点に関し良好な治療成績を示すにも関わらず、CNVは拡大することも第125回日本眼科学会総会及び2021Asia Retina Congressにて報告し、現在論文投稿中である。これらのCNVの拡大に関しては、新規性の高い発見であり、AMDの病態がVEGFにのみ依存するものではないことを示している。一方、抗VEGF薬治療のTreat and Extendによる治療継続により、改善した視力を5年間維持できることを第60回日本網膜硝子体学会総会にて報告した(現在論文準備中)。これらのことを総合すると、加齢黄斑変性におけるCNVの血管新生及び血管の成熟と視力予後に影響する滲出性変化とは必ずしも相関するものではないことが研究結果から明らかとなった。しかし、抗VEGF薬の頻回投与や完治が困難であることからも治療戦略としてはCNV自体のコントロールが現在の治療では成功していないことを示している。CNV自体の安定化による滲出性変化のコントロールは新規治療戦略となると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現時点で予定していた加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管の成長と成熟に関する研究は、研究成果の学会発表を終えることができ、現在論文2報投稿中、1報準備中である。昨年度はコロナ禍でやや遅延していたが、本年度の成果としては順調であり、来年度に論文投稿は終了できる見込みである。

今後の研究の推進方策

加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管の成長と成熟に関し、現時点で明らかとなったことを論文発表予定である。また、2022年度中に臨床使用が可能となる予定のアンジオポエチン2阻害薬に対する血管の反応までを本研究期間中に明らかとする予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により国際学会発表が延期となったため、次年度に発表を予定する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Switching from aflibercept to brolucizumab for the treatment of refractory neovascular age-related macular degeneration2022

    • 著者名/発表者名
      Ota H, Takeuchi J, Nakano Y, Horiguchi E, Taki Y, Ito Y, Terasaki H, Nishiguchi KM, Kataoka K
    • 雑誌名

      Jpn J Ophthalmol

      巻: 66 ページ: 278_284

    • DOI

      10.1007/s10384-022-00908-1

    • 査読あり
  • [学会発表] 加齢黄斑変性に対するTreat and extend治療下の脈絡膜新生血管の拡大2021

    • 著者名/発表者名
      中野友哉子, 片岡恵子, 武内潤, 堀口悦代, 太田光, 滝陽輔, 伊藤逸毅, 寺崎浩子
    • 学会等名
      第125回日本眼科学会総会
  • [学会発表] OCTAを用いた新生血管形態と活動性の相関2021

    • 著者名/発表者名
      片岡恵子
    • 学会等名
      第125回日本眼科学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] Pachychoroid neovasculopathy and exudative changes2021

    • 著者名/発表者名
      片岡恵子
    • 学会等名
      第125回日本眼科学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] Pachychoroid neovasculopathyに対するアフリベルセプト併用半量光線力学療法2021

    • 著者名/発表者名
      武内潤, 片岡恵子, 中野友哉子, 堀口悦代, 太田光, 滝陽輔, 伊藤逸毅, 寺崎浩子
    • 学会等名
      第125回日本眼科学会総会
  • [学会発表] Vascular Morphology after Aflibercept and Half-dose PDT in Eyes with Pachychoroid Neovasculopathy2021

    • 著者名/発表者名
      Keiko Kataoka, Jun Takeuchi, Yuyako Nakano, Etsuyo Horiguchi, Hikaru Ota, Yosuke Taki, Yasuki Ito, Hiroko Terasaki
    • 学会等名
      2021 Asia Retina Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 加齢黄斑変性に対するaflibercept硝子体内注射を用いたTreat and Extend療法の5年成績2021

    • 著者名/発表者名
      太田光, 片岡恵子, 浅井景子, 武内潤, 冨田遼, 中野友哉子, 堀口悦代, 滝陽輔
    • 学会等名
      第60回日本網膜硝子体学会総会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi