加齢黄斑変性(AMD)とpachychoroid neovasculopathy(PCN)はいずれも脈絡膜新生血管(CNV)を呈する。これらは遺伝学的に異なることが示されているが、客観的な分類方法が存在しない。本研究では、教師無し機械学習によって機械的に症例分類を行うことを目的とした検討を実施した。対象は2014年1月から2018年6月の間に初診の、無治療片眼性CNV患者537例。強度近視、外傷等に伴うCNVは除外した。ベースラインのパラメーター61個を各々標準化の上主成分変換し、主成分を用いてK-means法でクラスタリングを行った。至適クラスタ数はGap統計量を用いて決定した。至適クラスタ数は2で、クラスタ1と2はそれぞれ289例と248例であった。クラスタ2はクラスタ1と比較して若年(P<0.001)、厚脈絡膜(P<0.001)、脈絡膜透過性亢進頻度が高い(P<0.001)等PCNの特徴を有しており、三宅らの基準でPCNと診断される219例のうち195例(89%)がクラスタ2に分類されていた。結論として、K-means法によりCNVが機械的に2群に分類され、片群はPCNを表していると考えられた。PCNはCNVの47%を占める可能性があることが分かった。 また、これらの症例に対してゲノムワイド関連解析を実施し、現在詳細を検討中である。
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