研究課題
血管内皮コロニー形成細胞(Endothelial colony-forming cells: ECFCs)は、細胞治療に用いる自家血管内皮細胞のソースとして有望である。申請者らはECFCのパラクラインメカニズムに基づいた、虚血性網膜症に対する血管再生療法および神経保護効果に関する研究を行ってきたが、ECFC由来細胞外小胞(EV)の役割については現在まで不明である。エクソソームの生成に関して、細胞上清に対する限外濾過、サイズ排除クロマトグラフィー、再度限外濾過を行う連続法を用いると、より純度が高く細胞外小胞を得られることが報告されている。今回は本法を用い、細胞外小胞の精製を試みたところ、タンパク量が少ない分画において、CD63陽性のエクソソームが多く認められた。透過型電子顕微鏡観察では、通常の超遠心を用いた方法に比較し、より多くの細胞外小胞が認められた。さらに連続法により生成した細胞外小胞をマウス虚血性網膜症モデルである高酸素誘導性網膜症(Oxygen Induced Retinopathy:OIR)モデルに注射したところ、以前報告されていたCD44lowのECFC由来のexosomeに比較し、CD44highECFC由来のexosomeは新生血管や虚血領域が有意に減少しており、CD44highより分泌されるexosomeはOIRモデルにおいて血管修復作用があることが示された。
2: おおむね順調に進展している
上記のとおりおおむね順調に進展しているといえる
今後は、上記のエクソソームの虚血改善メカニズムの解明および、網膜神経変性モデルにおけるエクソソームの有用性を検討していく。
使用した物品が当初計画したものよりも安価で購入できたため。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)
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