緑内障は加齢とともに有病率が高くなることが報告されており、高齢化が進む本邦においては今後さらなる増加が懸念される眼疾患である。本邦では緑内障の前向きコホート研究は行われておらず、世界的に見ても貴重なデータが集積されることは疑いがない。詳細な全身データ、遺伝子情報との相互作用を検討し、緑内障との関連を探索的に調査することは、予防医学的、公衆衛生学的見地からも大変意義がある。さらに、遺伝要因を含めた全身因子の網羅的解析から、種々のリスクに応じた緑内障発症リスクスコアを確立することが可能となる。今後、さらなる高齢化を迎えるにあたり、本研究の意義は大きい。
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