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2018 年度 実施状況報告書

中心視力を守る新規網膜黄斑治療に向けたiPS細胞3次元培養による錐体視細胞の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18K16964
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

戸田 枝里子  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 研究員 (90722992)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード網膜 / 視細胞 / 黄斑 / 加齢黄斑変性
研究実績の概要

近年の高齢化社会で増加した加齢黄斑変性(age-related macular degeneration: AMD)は、眼球の中でも網膜の中心である黄斑部を障害し、失明原因として国内第4位、米国の第1位を占める。光受容体である網膜視細胞の中でも、網膜黄斑部には視力を決める錐体(cone)視細胞が集中して存在し、周辺には視野の広がりを決める桿体(rod)視細胞が存在する。視力確保のためには黄斑部網膜視細胞、すなわち錐体視細胞に対する介入治療が必須である。しかし、現時点では治療法はない。さらに、マウスには黄斑が無く研究が進みにくい。そこで、本研究ではヒト細胞を用いて錐体視細胞の形成と維持のメカニズムを解明し、将来の世界初の新規網膜黄斑部治療の開発につなげる。そのために、ヒト人工多能性幹細胞(induced-pluripotent stem cell; iPS細胞)を用い、3次元培養により網膜組織(オルガノイド)を分化誘導し、網膜錐体視細胞を選択的に取り出して解析する研究を開始した。すなわちヒトiPS細胞の時点でゲノム編集を行い、錐体視細胞に分化誘導すると蛍光を発するiPS細胞を作製し、これを用いて3次元培養により網膜組織を作製したうえで細胞を分散させ、蛍光標識をガイダンスとしてフローサイトメトリーを用いて錐体視細胞を回収する研究を開始した。これにより、錐体視細胞の移植治療および保護治療の開発の基盤となるデータを得る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト人工多能性幹細胞(induced-pluripotent stem cell; iPS細胞)を用い、3次元培養により網膜組織(オルガノイド)を分化誘導し、網膜錐体視細胞を選択的に取り出して解析する研究を開始した。これまでに、ヒトiPS細胞の時点でゲノム編集を行い、錐体視細胞に分化誘導すると蛍光を発するiPS細胞を作製した。また、ヒトiPS細胞を用いて3次元網膜組織培養により網組織(オルガノイド)を作製する実験系を立ち上げた。経時的変化を追うために、順次培養を続けている。ゲノム編集およびiPS細胞を用いた3次元網膜培養いずれの実験についても研究室内に指導者がおり、そのため研究は進展している。

今後の研究の推進方策

ゲノム編集により作製した標識ヒトiPS細胞を用いた3次元網膜培養(オルガノイド作製)を進め、各分化段階において細胞を分散させ、フローサイトメトリーで蛍光標識した細胞を回収し、遺伝子発現等の解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

3次元培養の立ち上げが効率的に行えたことにより、初期段階にかかる費用を抑えることが出来たため次年度使用額が生じた。この次年度使用額は、翌年度分と合わせて、フローサイトメトリーや遺伝子発現の解析に使用する。

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公開日: 2019-12-27  

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