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2019 年度 実施状況報告書

内因性脂質メディエーターに注目した眼表面疾患の制御

研究課題

研究課題/領域番号 18K16966
研究機関順天堂大学

研究代表者

岩本 怜  順天堂大学, 医学部, 助教 (10568207)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード角膜創傷治癒 / BLT2受容体
研究実績の概要

我々が白内障の手術後に処方しているNSAIDs点眼は術後炎症を抑制できるが、副作用として角膜上皮障害を起こすことが知られている。特に角膜上皮のバリアが破綻するドライアイなどの基礎疾患がある場合は点眼による副作用が出やすいと言われている。これまでに我々はNSAIDsによる角膜創傷治癒遅延のメカニズムが12HHT/BLT2経路を介していることを示して来た。今回我々は、その経路によって創傷治癒に関わる遺伝子の発現を次世代シークエンスを用いて解析した。その結果、αSMAをコードする遺伝子であるACTA2とミオシン重鎖をコードするMyh11の発現がBLT2受容体欠損マウスの角膜において有意い低下していた。また、定量PCRでも同様の結果が得られた。したがって、12HHT/BLT2経路を介した創傷治癒のメカニズムにACTA2とMyh11が関与する可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度は研究テーマの一つであるNSAIDsと角膜創傷治癒の研究を進めたが、当初の予定ではもう一つのテーマであるアレルギー性結膜炎とレゾルビンの研究も同時に進める予定であったが、思うように進めることができなかった。2020年に入ってからは新型コロナウイルスの影響もあり、研究室に出入りすることも制限され、研究を中断せざるを得なくなったことも要因として挙げられる。2020年度は社会状況がどうなっていくかがわからないが、2019年度で進められなかったところをメインに進めて行きたいと考えている。

今後の研究の推進方策

今後はアレルギー疾患と眼についての研究を軸に進めて行きたい。具体的には、マウスにおけるレゾルビン点眼群とコントロール点眼群で脂質の一斉定量を行い、レゾルビン点眼がマウスアレルギー性結膜炎モデルにおいてどのように消炎効果を発揮するかを確かめたい。また、アトピー性皮膚炎の基礎疾患を持つ患者では急な白内障の進行を認めることがあるため、そのメカニズムについても研究していきたい。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は2つの研究テーマのうち1つしか進めることができず、研究が予定通り進められなかった。次年度はマウスアレルギー性結膜炎モデルにおけるレゾルビン効果のメカニズムを次世代シークエンスを用いて解明して行きたい。また、アトピー性皮膚炎を基礎疾患に持つ患者の白内障が急に進行する原因について、患者の切片はあるため、免疫染色等でメカニズムを検討して行きたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] 12HHT/BLT2経路を介した角膜創傷治癒促進の分子メカニズムの解析2020

    • 著者名/発表者名
      岩本怜
    • 学会等名
      第124回日本眼科学会総会
  • [学会発表] Ocular surfaceと非ステロイド性抗炎症薬2019

    • 著者名/発表者名
      岩本怜
    • 学会等名
      第123回日本眼科学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] Expression of nicotinamide N-methyltransferase (NNMT) in atopic cataract2019

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Iwamoto
    • 学会等名
      Association for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)
  • [学会・シンポジウム開催] Association for Research in Vision and Ophthalmology(ARVO)2019

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公開日: 2021-01-27  

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