研究課題/領域番号 |
18K16980
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20569503)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 組織移植 / マイクロサージャリー / 脂肪移植 / 容量変化 / マイクロフォーカスX線CT / 毛細血管密度 / 血管ストレス / 血管内薬剤充填 |
研究実績の概要 |
2019年度の実験において移植脂肪組織を測定するにあたり、効率的に実験を行うためにラットのどの部位の脂肪弁を用いるのが適切であるかを検討した。その結果、栄養血管である浅下腹壁動静脈が31G(0.27±0.02mm)注射針を用いて穿刺可能で、脂肪組織量も充分量あり、手術手技が容易で処置が短時間で終わらすことができる浅下腹壁動脈を用いた下腹部脂肪弁が移植組織脂肪を測定するのに適していると考えた。 2020年度は実際に浅下腹壁動静脈に薬剤を注入して移植脂肪組織容量をMicro focus X線CT装置(R_mCT2 : リガク)を用いて計測を行なった。 ① コントロール:5週齢のZucker fatty rat (メス)に三種混合麻酔薬(塩酸メデトミジン、ミダゾラム、酒石酸ブトルファノール)を腹腔内注射(0.5mL/100g)して全身麻酔を行なった。右腹部の皮膚を切開し浅下腹壁動静脈を血管茎とした下腹部脂肪弁を用いた脂肪移植モデルを作成した。動静脈に血管クリップを用いて移植脂肪弁を10分間虚血状態として、血管クリップをはずして虚血を解除した後に、皮膚を縫合して手術操作を終了とした。術後1、3、5週後にMicro focus X線CT装置を用いて移植脂肪組織容量を経時的に測定した。 ② 生理食塩水5週齢のZucker fatty rat (メス)にコントロールと同様に三種混合麻酔薬を腹腔内注射(0.5mL/100g)して全身麻酔を行なった後に、下腹部脂肪弁を用いた脂肪移植モデルを作成した。浅下腹動静脈に血管クリップを用いてクランプした後に浅下腹壁動脈に生理食塩水0.2ccを注入し10分間虚血状態とした。血管クリップをはずして虚血を解除した後に、皮膚を縫合して手術操作を終了とした。 術後1、2、3、4、5週後にMicro focus X線CT装置を用いて移植脂肪組織容量を経時的に測定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染の影響で本学の研究体制が停止する期間が数ヶ月間あり、実験の中断を余儀なくされた。また他業務に人員を配置せざるを得ない状況が生まれ、実験を遂行する人員が不足している。以上の理由から、研究期間の延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
研究内容として以下の事項を推進する。 実験個体数を増やしてデータ解析を行う。 投与予定の薬剤(ヘパリン、ワーファリン、ウロキナーゼ、バイアスピリン、アドレナリン)の投与量、濃度を決定し実際に投与を行い脂肪組織変化量の測定を行う。 また現在マンパワー不足が研究の推進を妨げており、実験体制の整備を早急に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況がやや遅れているため、今年度に使用する計画であった、実験用動物(滅菌飼料を含む)や研究試薬などの消耗品費、機器のレンタル料(学内施設使用料)などを次年度に繰り越して使用することとなった。
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