研究課題/領域番号 |
18K16980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
田中 顕太郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20569503)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 組織移植 / マイクロサージャリー / 脂肪移植 / 容量変化 / マイクロフォーカスX線CT / 毛細血管密度 / 血管ストレス / 血管内薬剤充填 |
研究成果の概要 |
Zucker fatty ratを用いた動物モデルで外側胸動静脈を血管茎とした側胸部脂肪弁を挙上した。栄養血管内に各種薬剤(ヘパリン、アドレナリン、生理食塩水)を投与し術後5週間の移植脂肪組織容量の変化を測定した。各薬剤群とコントロール群の比較では容量変化に有意差を認めなかったが、コントロール群と全薬剤投与群では有意差を認め、コントロール群で容量が保たれる傾向があった。薬剤を投与しない方が脂肪組織容量を維持できる可能性が示唆された。栄養血管への薬剤投与という操作が脂肪弁の毛細血管に対してストレス因子として影響し、毛細血管開存率減少・移植脂肪組織容量減少に関与している可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
再建外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では移植脂肪組織容量を維持する手技の開発には至らなかったが、脂肪組織の栄養血管に薬剤を投与し、その容量変化を解析するという新しい研究デザインが得られ、今後の移植組織容量維持の手技開発の重要な足掛かりになると考える。また、今回の検討で作製した動物モデルに関する報告はこれまでになく、血流のある移植脂肪組織に関する研究の今後の遂行に有用なモデルとなり得る。さらに今回の研究成果では、脂肪組織移植を行う際はなるべく生理的な条件下で手術操作を行うことが容量維持につながった。実臨床においても、手術操作で移植組織に過度なストレスを与えないことが、整容・機能を維持する再建手術につながる可能性が示唆された。
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