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2019 年度 実施状況報告書

マクロファージ由来のエクソソームを用いた末梢神経再生研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K16983
研究機関名古屋大学

研究代表者

内堀 貴文  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30625760)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードエクソソーム / M1 / M2 / 神経再生
研究実績の概要

本研究の目的は、マクロファージからエクソソームを抽出し、神経障害部位に導入することで、持続的な抗炎症効果や組織修復効果を得ることができ、最終的には機能的なレベルでの神経回復が可能であることの立証を目標とした。
まずは、マクロファージからエクソソームを抽出し、特性を評価した。ラットより採血し血球成分を分画した後に、CD14+の単球系 細胞を抽出し、LPS、IL-4を添加することでM1とM2への分化誘導を行った。FACSを用いてCCR7+のM1とCD206+のM2を抽出培養し、各々培養上清より0.22μm フィルターで濾過後、100,000g、2時間の超遠心後M1由来のエクソソーム(M1Ex)とM2 由来のエクソソーム(M2Ex)を分離・回収した。
エクソソーム中には抗炎症効果や組織修復効果を持つ、IL-4やIL-10のmiRNAやsiRNAを含有するとされ、PCRでその定量化をして評価した。
また、M1Ex、M2Exの神経障害部位での神経再生に対する影響をIn Vivoで観察した。In vivo testにはラット(Lewisラット♀8週齢)の坐骨神経切断縫合モデル(直接縫合及び5mm gap)を用いた。ラットへのM1Ex、M2Exの投与方法は神経障害部位への直接注入とした。
タイムポイントとしては、有害事象が起きていないか検討するために2週を1つのタイムポイントとし、神経再生がほぼ完成すると考えられる16及びその半分の8週で評価を行った。評価方法は、Foot Print Test、Nerve Condition Study(NCV)や筋力測定といった神経生理学的検査、および免疫染色によるIntra epidermal nerve fiber density(IENF)の算出により、定量比較を行い、神経再生能を検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

M1、M2由来のエクソソームは抽出できたと考えるが、分量が少ないためか、神経修復やその他において全く差異が出なかった。
そもそも、適正に実験が行われていても差異が出ない可能性もある。

今後の研究の推進方策

今後は、抽出したエクソソームの性状の精査、分量について適切に分離できているか再検証し、場合によってはエクソソームだけでなく、エクソソームより少し大きいマイクロヴェシクルも含めて検証しなければならない。
しかし、ラットの神経修復能力は高く、そもそも適正に実験が行われていても差異が出ない可能性もあると考える。

次年度使用額が生じた理由

実験結果が思うように出ず、実験モデルを再考していた期間があり、実験を中断していた期間があるため。
実験を再開しようとしていたが、代表研究者が研究機関のない職場へと異動となったため、研究の中止届を提出した。

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公開日: 2021-01-27  

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