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2019 年度 実施状況報告書

Induced membrane法を用いた遊離軟骨移植の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K16987
研究機関岡山大学

研究代表者

妹尾 貴矢  岡山大学, 大学病院, 助教 (90509465)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード軟骨移植 / induced membrane
研究実績の概要

前年度の研究結果によりinduced membrane作成のためのシリコンインプラント留置期間を4週に設定し、以後のinduced membrane腔内へのラット自家肋軟骨移植実験を行ってた。はじめ8週齢Wistarラットを用いて背部片側へinduced memrane作成(インプラント留置4
週間)完了後、両側の第7-8肋軟骨を採取し、インプラントと置換してinduced membrane腔内へ移植した。また背部対側へはcontrolとして皮下へ軟骨移植した。軟骨移植後8週で試料採取を行い、組織学的評価を行った。軟骨組織はinduced membrane使用群およびcontrol群ともに辺縁からの組織吸収により減量傾向にあったが、断面積および重量での差は、付着組織や切断レベルでの偏差が大きく明らかでなかった。Ⅱ型コラーゲンに対する免疫組織学的評価ではinduced membrane群で染色強度が強い傾向が見られた。この実験中に軟骨吸収についてCT撮影により経時的な評価を試みたが、ラット背部に移植したことによりシリコンインプラント位置の移動に伴う、軟骨移植部位の不安定性、および呼吸運動に伴う揺れにより正確な測定が困難であった。
このため、新たにシリコンインプラント挿入および軟骨移植部位をラット前額部に変更し移植床の安定性を確保した状態で以後の移植実験を行っている。当初の計画通り、軟骨側因子として軟骨膜の操作(膜除去、膜維持、膜除去後再被覆、半切)による移植後軟骨吸収の差の検証モデルも作成し、現在長期経過観察モデルでの検証も行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に後れを生じた原因である、実験開始および、初期プロトコル作成に時間を要した影響が残っているほか、ラットの軟骨移植手技の改良(具体的にはラットへの軟骨移植部位の変更に伴う手技の見直し)により、CT撮影など一部の評価で再実験が必要となったため、全体としてやや遅れる結果となっている。

今後の研究の推進方策

現在、当初の計画の最終段階である、軟骨側因子(軟骨膜の操作)が軟骨吸収に及ぼす影響を検証するための実験を継続中であり、CTでの軟骨量測定も平行して施行している。本年中に動物実験試料は揃う見込みで、引き続き資料の組織学的、面音器組織学的評価、組織内タンパク定量を行い、各群間での軟骨吸収の差を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

初年度から引き続いての、また本年度における動物実験の一部内容変更および遅れにより当初使用予定であった実験機材、動物の購入、解析に伴う施設使用料等がずれ込む結果になり、次年度使用額が生じている。次年度で当初の計画にあった研究試料が揃い、予定された機材、試薬の購入費用として使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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