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2022 年度 実施状況報告書

生体親和性マテリアルを用いた、糖尿病性潰瘍の新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K16991
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

佐藤 秀吉  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70528968)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード組織工学 / 神経再生 / 糖尿病性足壊疽
研究実績の概要

平成30年度に、Preliminary study として、本研究の神経再生評価方法について検証した。米国Wagner研究室より本研究計画で使用する生体親和性マテリアル (Extracellular matrix: ECM + Poly(ester-urethane) Ureas: PEUU) を有償で譲り受けた。平成30年~令和元年度にかけて、同マテリアルをラット大腿に移植し、8週・16週後における神経再生について、組織学的な評価、RNA発現量の評価などを行なった。神経再生に関わるNGF、NGFr、MbpなどのRNA発現量については、negative control群、positivecontrol群と優位差は認められなかった。免疫染色を加えた組織学的評価においてはGFAP(Glial fibrillary acidic protein)陽性領域が優位に実験群で高く、またマテリアル内に伸長する神経繊維を確認した。
令和2年度においては、臨床ですでに使用されているナーブリッジRとの比較検討を、in vivoで行う予定であったが、Covid-19流行の影響もあり、海外からのマテリアル入手が滞り、研究の進みが遅延した。国内外における近年の神経再生に関する基礎研究の動向、また臨床現場における組織工学を応用したマテリアルの使用状況などの情報収拾を行なった。
令和3年度は、マテリアルをDMモデルラットの坐骨神経絞扼モデルに移植するためのpreliminary studyを行なった。足底のsensory testであるvon Frey testの preliminary studyを行い、結果の再現性について検証した。
令和4年度は令和元年度までの実験結果についての論文投稿を行い、現在査読中となっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Covid-19流行の影響により筆頭研究者の業務形態の変更があり、当該研究へのeffortの適切な配分を行うことが困難であった。

今後の研究の推進方策

現在、臨床応用されているポリグリコール酸素材のscaffold( ナーブリッジR)との比較実験を行う。
ラット坐骨神経絞扼モデルを用いて、本研究における予定マテリアルである、Extracellular matrix:ECM+Poly(ester-urethane) Ureas:PEUU scaffoldとナーブリッジおよびコントロール群としてのシリコンチューブの3群において、神経再生能を比較する。評価としては、組織学的評価、NGF、NGFr、MbpなどのRNA発現量を比較検討する。in vivoでのsensory testである、von Frey testも評価項目として追加する。また並行してGullianoらの報告(Galiano RD et.al.Wound Repair Regen.12(4):485-92,2004.)にもとづき、糖尿病マウス(BKS-db/db, Jackson Laboratory)の背部に皮膚潰瘍を作成し、ECM/PEUU scaffoldを貼付する。市販材料であるペルナック、Dermagraft を対照群として、創傷面積、創閉鎖日数、創部における神経再生の有無や血管新生の確認などを組織学的に検討し、糖尿病に伴う創傷治癒遅延に対する、当該マテリアルの総合的な有用性について検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画より遅れが生じているため、次年度使用額が生じています。研究計画を本年度で終了させるために必要な試薬購入や機器購入に補填する予定です。臨床業務とのeffortとの兼ね合いで補助の人員を雇い入れ、研究を進める予定です。そのため、人件費にさく費用の増加が見込まれます。

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公開日: 2023-12-25  

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