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2019 年度 実施状況報告書

悪性黒色腫における癌関連線維芽細胞のリンパ管内皮細胞への遊走および増殖作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K16992
研究機関大阪市立大学

研究代表者

藤川 平四朗  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (80740373)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード悪性黒色腫 / 癌関連線維芽細胞 / リンパ管内皮細胞 / リンパ管新生
研究実績の概要

2019年度はヒト皮膚微小リンパ管内皮細胞(HLEC)及び皮膚悪性黒色腫由来の癌関連線維芽細胞(CAF)を用いて各種実験を行った。HLECにCAFsおよび正常線維芽細胞(NAF)から採取した培養上清を加えた群(CAF群およびNAF群)、また悪性黒色腫から採取した上清を加えて培養したCAFsから得た培養上清を加えた群 (MMCAF群)を準備し、対照群と比較した。ただ、NAFとCAFをペアで有していた資料が樹立より長時間が経過し活性が低下したため、NAFは使用できなくなった。今年度に新たに樹立した活性の強いCAFを用いて、腫瘍細胞3種類からMMCAF群の上清を各種作成しておいた。HLECの増殖能に対する影響を調べるためにMTTアッセイ、tube formationアッセイを行った。再現性を得るためにそれぞれのアッセイを複数回行い評価した。MTTアッセイにおいては、CAF群、対照群と比較してMMCAF群で有意に増殖能が高いとの結果が得られた。tube formationアッセイにおいては、対照群と比較してCAF群で有意にリンパ管新生が促進している結果となった。 以上の結果より、腫瘍細胞の影響下にあるCAFの上清にはHLECの増殖を促進するサイトカインが含まれている可能性が示唆された。2020年度はCAFが分泌するリンパ管増殖因子をサイトカインアレイにより同定する。同定したサイトカインの阻害剤を用いて増殖が抑制されるかどうかを確認する。リンパ管増殖を促進するサイトカインが確定することにより阻害剤の開発、臨床への応用へつなげることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

再現性を得るために複数回のアッセイを行った。年度末に行う予定であった実験については、業者からのリンパ管内皮細胞の調達が遅れており、それも進捗状況に影響があった。
また、樹立していた細胞の活性が低下し使用できなくなったこと、新たな細胞株を樹立する機会が年度前半になかったことも原因である。

今後の研究の推進方策

なるべく早く新たな細胞株(CAFとNAFのペア)を樹立し、アッセイを再開する。樹立した細胞を用いてサイトカインの同定を行う。リンパ管内皮細胞および専用培地などについては海外のコロナウイルス拡大の影響もあり入荷が不確定であるため、入手次第、実験を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗状況の遅れによる。コロナウイルスの影響で研究室が閉鎖となっているが、実験が再開でき次第、計画通り、かつできるだけ急いで計画を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effect of Cancer-Associated Fibroblasts on Lymphatic Vessel Formation in Malignant Melanoma2019

    • 著者名/発表者名
      Shusaku Maeda, Masakazu Yashiro , Hisashi Motomura , Takaharu Hatano , Heishiro Fujikawa
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会

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公開日: 2021-01-27  

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