皮膚の創傷は現代の治療では必ず瘢痕を残し、それは機能障害や整容的問題となる。瘢痕を残さずに皮膚の創傷を治癒させることは非常に大きな課題である。本研究はマウス胎仔の創傷が瘢痕を残さずに治癒するメカニズムを探索したものである。イモリ四肢、ゼブラフィッシュ尾ビレなど再生可能な組織と同様に血管新生が再生の起点となるという仮説のもと、マウス胎仔創部の血管新生について解析したところ、再生が可能な時期に限定して創内に旺盛な血管新生が認められることが分かった。本研究により血管新生を治療標的とする創傷治療開発の可能性が開けたと言える。
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