瘢痕形成をいかに最小限として皮膚のきずを治癒させるかという課題は現代医学に残された難題のひとつである。ヒトやマウスなど哺乳類は胎仔期に皮膚再生が可能であることから、その要因を探索し、胎仔皮膚でCXCR4が高発現することに注目した。胎仔の創部組織の詳細な観察の結果、再生が可能な時期の創部ではマクロファージがCXCR4を発現すること、これらの細胞は新生中の血管内皮と近接して存在すること、再生ができなくなる時期には存在しないことが判明した。本研究から皮膚再生のメカニズムのひとつにCXCR4陽性マクロファージが関与する可能性が示された。
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