研究実績の概要 |
ラット(F344/Nラット)の浅大腿動静脈にラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞(コスモバイオ社)を移植し、骨分化誘導を行い、人工骨皮弁を作成する実験を行った。ラット(F344/Nラット)を筋肉注射麻酔(三種混合麻酔:ドミトール0.15mg/kg、ベトルファール2.5mg/kg,アルファキサン4mg/kg)した。大腿部 を剃毛した後、皮膚切開を加え、浅大腿動静脈 を露出・剥離し、浅大腿動静脈を血管茎とした動脈皮弁を挙上した。挙上した皮弁の皮下脂肪内にコラーゲンスポンジ35mmディッシュ用(KOKEN社)に1×10^6のP1ラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞を混入させて移植した(ネガティブコントロール群)、次に同様に挙上した皮弁の皮下脂肪内にコラーゲンスポンジ35mmディッシュ用(KOKEN社)に1×10^6のP1ラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞に1μg W9 ペプチド(WP9QY:骨分化誘導ペプチド)加えた細胞を移植した。5日後に動物実験用CTで移植した部位の評価を行った。ともに肉芽組織の造成に伴う皮弁皮下組織の肥大所見はみられたが、骨分化を示す石灰化などは起こらなかった。次に同様に挙上した皮弁の皮下脂肪内にコラーゲンスポンジ35mmディッシュ用(KOKEN社)に1×10^6のP1ラット皮下脂肪由来間葉系幹細胞に1μg W9 ペプチド(WP9QY:骨分化誘導ペプチド)及び10μgBMP-2を加えた細胞を移植し、さらにPOD1,2,3日目に W9 ペプチド(WP9QY:骨分化誘導ペプチド)1mgを移植した部位の皮下に追加注射を行い、骨分化を促した。術後7日目で動物実験用CTで同部位を評価した。肉芽形成に伴う軟部腫瘍の肥大まではみられたが、骨分化を示す石灰化はきたしていなかった。
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