ケロイドは過度な細胞増殖と線維化、炎症が病態の主体となっている。特発性肺線維症の治療薬として2008年に販売されたピリフェニドンがケロイドの治療薬として有用であるかの検証を行った。ピリフェニドンは分子量が185と小さいためケロイド移植動物モデルにピリフェニドン軟膏の塗布を行い、抗HSP47抗体の免疫組織学的染色を行った。塗布後8週において濃度依存性に差が見られた。そこで、ピリフェニドン注射剤を作成し移植ケロイド組織に注入。注入後8週・12週でケロイド組織において発現上昇がみられるいくつかの分子についての遺伝子発現を比較検討した。有為な差は見られず、治療効果は証明されなかった。
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